2-11 経営管理資料② 作り方 フェーズ1

経営管理資料(管理会計)の作り方は決まっていない

『経営管理資料』は”会社の舵を取るための要となる道具”です。

この『経営管理資料』ですが、その作り方は決まっていません。

自社で創意工夫、試行錯誤しながら、経営管理システムの一部として作り上げていくしかないのが現実です。

経営管理システムは、上手く機能させれば、経営者・経営幹部・従業員の思惑と行動の方向性を統一し、狙いどおりの成果を作れます。

経営管理システムは、組織の規模が小さな間は、経営者の頭の中になんとなくあります。でも、組織の規模が大きくなるにしたがって、経営者の頭の中から引きずり出して、目に見える形にしていく必要性が高くなります。


経営管理資料(管理会計)のフェーズ別作り方の解説

では、『経営管理資料』の作り方ですが、組織規模の大きさ、事業の複雑性、経営幹部の経営習熟度により適切なものが変化していきます(フェーズが変わります)。

では、フェーズ1から3まで、フェーズ1から順に説明していきます。


フェーズ1.最初は月次決算書の導入(一番大事)

最初は、月次決算書がその役割を果たします。

税務申告があることから、社内にはすでに会計情報が存在しています。入手可能性が高い情報なので、この情報が活用されます。

ここで、二つの点で小さな進化が必要です。


①早く提供する(遅いと役立たない)

翌月5日程度で決算情報を確定させることが必要です。それより遅いと経営意思決定に使うには遅すぎるからです。

記帳代行をお願いされている会社では税理士さんに早く決算書を作ってもらうようお願いしましょう(ただし、社内で決算早期化もセットになりますが)。もしくは、自社で月次決算を実施できるようになったほうが望ましいです。


②わかりやすさの確保(経営幹部が理解できないと無駄)

決算書をそのまま見せることでは足りません。経営幹部が理解できる形、利用しやすい形に作り替えることが必要です。

具体的には、一表にまとめる。表示項目を減らす、くくる。推移表にして比較しやすい形にするといったことになります。

『経営管理資料』は”会社の舵を取るための要となる道具”です。

道具を提供するご担当は、使いやすい道具を提供することを強く意識する必要があります。

月次決算情報を利用した『経営管理資料』の作成は、この先の経営管理資料作成の基礎となり、一番重要な部分です。


税務申告用会計では足りない

税務申告用の会計情報が社内あるとはいえ、それを経営管理資料として使えるようにするのは一朝一夕ではできません。適時な情報入力や、従業員、経営幹部とのコミュニケーション、教育が必要になります。

経営管理システム構築のほんの初期の段階ですが、社内に知識が無いと乗り越えるのがとても困難なフェーズでもあります。社内資源の蓄積もしくは、外部資源をうまく活用することが必要になります(できる人を雇う。税理士やコンサルタントをうまく利用。従業員を育てる等。)

*ここで、重要な注意ですが、使いこなせないような経営管理資料を作ってしまっては、百害あって一利なしです。自社のレベルに合わせて無理しすぎないことが大事です。


長文になりましたので

フェーズ2、3については次のブログで説明します。

2-12 経営管理資料③ 作り方 フェーズ2

2-13 経営管理資料④ 作り方 フェーズ3



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