2-12 経営管理資料③ 作り方 フェーズ2
『経営管理資料』は”会社の舵を取るための要となる道具”です。
『経営管理資料』の作り方ですが、組織規模の大きさ、事業の複雑性、経営幹部の経営習熟度により適切なものが変化していきます(フェーズが変わります)。
フェーズ1から3まで、
前回はフェーズ1.月次決算の導入 を説明しました。
今回はフェーズ2から説明します。
フェーズ2.標準経営管理資料(テンプレートやサンプルによる)の導入
当初は、月次の実績決算情報だけで管理できていた会社も、いずれ予算管理や資金繰り管理、各事業でのセグメント管理等も必要になってきます。
とはいえ、
最初は書籍やコンサルタントから、一般に必要そうな資料を参考に月次管理資料として用います。
一般に使用されているモノであれば、理解も容易ですし、指導も受けやすい。また、何もないところから始めると、重要項目のモレが生じやすいので、これを防ぐことができます。
社内の経営幹部が慣れるまでは、テンプレートやサンプルの利用も有効な手段だと言えます。
そして、慣れてきた段階で自社用にアレンジしていくことになります。
(この段階は飛ばして、独創性の高い経営管理システム、経営管理資料を早くから指向される会社もあります。)
経営管理資料の標準(テンプレート)としては、
例えば、
①月次予算実績比較損益計算書【全社要約版】
②月次実績比較貸借対照表【全社要約版】
③当月売上分析表
④当月売上原価、製造原価分析表
⑤販売費及び一般管理費科目別明細表
⑥資金繰り表
⑦資金繰り実績表
といったものが標準的に考えられます。
私がサポートに入らせていただいた場合には、以下のモノをまず薦めます。
①貸借対照表、損益計算書【集約】
②比較損益計算書【詳細】
③月次推移損益計算書【詳細】
④月次推移貸借対照表【詳細)
⑤営業活動推移
⑥資金繰り実績表
⑦資金繰り予定表
いずれにせよポイントは以下です。
・最初から完璧は目指さない(経営管理資料自体はある意味ざっくりの方が使いやすい)。
・初めのころは会計情報を中心とします。
・でも、資金関係の情報は重要なので、入れておくべき。
・経営者や役員だからって、会計にまで明るいわけではありませんので、経営管理資料の読み方及び使い方については、しっかりとレクチャーを実施する必要があります。
・数字に慣れるまでは、数字を自分で書き入れるというのもよく実施されています。
・分析や、対応策の質疑に力を入れる。
・『経営管理資料』は”会社の舵を取るための要となる道具”です。道具として活用できている状態をゴールとしてめざしましょう。
フェーズ2では、フェーズ1同様、会計情報を中心に用います。しかし、経営管理システムやマネジメントレベルに合わせて、より会社の状況の把握、意思決定がしやすい方法に変えていきます。
経営者単独の属人的な経営から、仕組みを用いたマネジメント経営に形を変えていく段階でもあるといえます。
さて、ここでも長文になりましたので、今回はフェーズ2までの説明とさせていただいて、
次回、フェーズ3について説明いたします。