2-14 経営管理資料⑤ 経営陣によるメンテナンスが大事

使える経営管理資料はPDCAが明確

取締役会資料、経営会議資料、常務会資料、月次会議資料

大企業から中小企業まで、色々な経営会議資料を見てきました。

さて、この経営会議資料ですが、「この会社、使いこなしてるな。」と感じることがあります。(あくまで主観です。)


どういうときだと思いますか?

資料の量や、様式、見やすさはあまり関係ありません。

記載が少ない方がいいとか、逆に詳細に多く書いてある方がいいとか、

グラフや図が多い方がいいとか、

あまり関係ありません。


『どういう事が行われ、どういう結果になり、どういう事をするつもりか』

が、書いてあれば、「この会社経営管理資料使いこなしているな」と感じます。

つまり、PDCAが読み取れる資料だと「使いこなしている」と感じます。

当然ですよね。


経営管理は、『皆の思惑、行動を統一し、狙った結果を出すこと』が大事なのですから、

そのツールである経営管理資料は

『どういう事が行われ、どういう結果になり、どういう事をするつもりか』

PDCAが明確にわかるようになっていると便利で効果的なのです。


具体的には、

・事実と見解が区別されている

・目標と結果が明示されている

・どのように行動する予定か書いてある

・常に起こることと、例外的に起こったことの記載が明確に分かれている(日常モニタリングと例外報告が区別されている)

・経営リスクが明示されている(経営リスクに関連する情報がモレなく書いてある)

という資料です。


会社の全体から見た現状がわかり、

それぞれのPDCAはどのようになっているのかがわかることが大事です。


『経営管理資料』はメンテナンスが必要

さて、経営管理資料を使いこなしているなと感じる会社もあれば、

使いこなせてないな、もったいないなと感じる会社もあります。

この差はなぜ起こるのでしょうか?

個人的には、経営管理資料の記載項目、様式を定期的に見直していないことが原因だと思っています。

定期的に見直しが行われないと、

・記載情報の過不足が放置

・経営層の実力に合わない記載情報が放置

・思いつきで出されたリクエストに応えすぎて記載内容が不整合

といったことが起こり、次第に使いにくい資料になります。

外部環境も変化しますが、内部経営環境も大きく変化します。

そこには経営陣の経営スキルの変化もあります。



『経営管理資料』は”会社の舵を取るための要となる道具”です。

道具である限りは、

使いこなしやすいよう、使うスキルをあげるとともに、

使いやすくなるようにメンテナンス、小さく進化させることが大事です。


そして、定期的な見直しは使用者である経営陣がリクエストして初めて実現します。

言い換えると、経営陣が主導して実施しないと定期的な見直しはできません。

これは、経営陣が偉い偉くないのヒエラルキーの問題ではなく、資料作成者と資料利用者の問題です。

資料作成者はよかれと思って作成しているのですから、使い勝手が悪いなら悪いと資料利用者に言ってもらわないと気づかないということです。

だから、『経営管理資料』は経営陣によるメンテナンスが大事です。



2-15 経営管理資料⑥ 定期的見直しと後継育成

2-16 経営管理資料⑦ 一工夫加えてさらに実用度UP