1-01 内部監査:内部監査の権威の限界を知る

内部監査には権威の限界がある

社内で、内部監査人に期待されることは大きいと思います。

一方で、内部監査人にも限界があることは、あまり理解されていないと思います。

内部監査人の会社組織の中の立ち位置はどこなのか?

自分にはどれだけの権威があるのか?

内部監査人は、先ず、このことをよく理解しておくことが必要です。


組織図表では、内部監査人は社長直下に位置付けられていても、

実務上、良くて部長クラスの権威、低ければ主任クラスの権威しかないことがあります。

そうすると、通常、役員クラスに内部監査人の指摘は通用しません。

ここに内部監査人の権威の限界があります。


監査人としての『あり方』

このような限界は確かにあります。

しかし、内部監査人は、直接、経営者や経営幹部に働きかけることができる存在でもあります。

これを踏まえたうえで、どういう内部監査人が望ましいと考えますか?

内部監査人としての『あり方』と『やり方』、どのような内部監査人になるか、その『あり方』がより重要です。

形式的に監査を終わらせるのか、

実質的に会社をより良く変えるよう努力するのか、

自分らしく『あり方』を選んでください。


『あり方』が決まれば、『やり方』はいくらもあります。

モノは言いよう、やりようです。

とはいえ、役員クラスへの指摘事項であれば、完全に改善されるには3年ぐらいというのが私の経験則です。

あまり急ぎすぎたり、焦ったりしないでください。

内部監査の権威に限界がある以上、時間をかける覚悟をすることも大事です。