月次決算の導入と決算早期化
◇月次決算を実践できることが必須
IPO企業は、経営管理のレベルが高いことが必要であり、その一環として月次決算が実践できていることがIPO時には求められています。
今まで、年に1回だけ税務申告用にしか決算書を作ってこなかったのに、毎月、月次決算を月初に締めて、予算との比較をしなければならなくなります。
上場審査では、毎月の取締役会において月次業績報告実施できている求められますので、逆算すると、月初営業日8日ぐらいまでには月次決算が完了していることが必須になります。
◇月次決算実現のためのポイント
あくまで社内用の管理会計、社外公表を前提とした年度決算ほどは厳密にやらなくていい
しかし、管理会計と財務会計は整合させておくべし
発生主義会計特有の仕訳(未払金や未払費用等)をどの程度まで実施するか決める
原価計算、在庫金額の計算もどの程度までやるか決める
月次決算の会計処理もいったん決めたら継続する必要があります
月初5~8営業日の完了が目標(でも、最初から無理なスケジュールにしない)
◇決算の早期化の方法
取締役会への資料提出や、四半期報告書・有価証券報告書の公表が必要になるため、月次決算や年度決算の完了締め切り日は早くなります。
◇決算早期化のポイント
社内情報処理のフローの整備が必要になります。
プロセス分析を細かく行い、ボトルネックとなっているものを一つずつ解決します。
優先順位として、まず、経理部内でできることを完了させる
次に、決算処理の元情報を提供してくれる現業部門へのリクエストを実施する
決算のスケジュールや進捗管理は他部門へのリクエストも含めて経理部が積極的に行う。
決算早期化は、経理部内だけでは実現できません。決算処理の川上工程にあたる現業部門の協力が必要になります。
また、決算処理については川上工程から情報が自動的に流れていくるよなプッシュ型の仕組みを期待せずに、いちいち川下工程の経理部から毎回のように川上部門に情報提供のリクエストをだすようなプル型の仕組みが向いています。