実際の実務での監査法人対応

監査法人はしょっちゅう来ます。

会計監査及び内部統制監査は、年間を通じて行われるのでしょっちゅう会社に来ます。

3月決算の会社の監査日程を例にとると、7月、8月、9月、10月、11月、12月、1月、2月、3月、4月、5月、6月と、考えてみると日数に多い少ないはありますが本当にほぼ毎月来てますね。特に年度決算及び有価証券報告書を対象とした期末監査が行われる4月、5月は一番多く来ます。

基本的には監査日程のほとんど来ます。本社経理が一番多く、次いで内部監査室。本社に来るだけでなく、重要な事業拠点(工場や支店)、子会社にも往査があります。海外子会社にも往査します。


社長や監査役に定期的に面談及び報告します。

会社側からのリクエストによっては多くなることがありますが、

監査役には、2回~6回 。監査計画の説明や監査結果の報告。その他報告や質問。

社長には、1回~2回。社長への面談、質問は監査の必須手続となっています。


期末日には、実査、棚卸立会に来るのが普通です。

期末時点での資産帳簿価額の監査は非常に重要なので、期末日の実査と棚卸立会にはほぼ来ます。


支店や営業所、子会社にも往査します。

支店や営業所、子会社にも往査します。監査での重要性に応じて、毎年何か所かローテーションで回ったり、毎年行くところがあったりします。海外拠点にも行きます。



実務現場での監査法人対応

監査対応は定常業務化できます。


監査法人の窓口となる担当を決めます。

年間を通じて往査に来ますので、スケジュール調整や会議室の予約など窓口業務が必要になります。また、経理部や内部監査室への往査がほとんどですが、社長や監査役との面談、工場や支店の事業拠点や国内子会社、海外子会社にも往査がありますので、その社内手配や同行も必要になります。


監査のスケジュールを把握し、必要な場合、関係部署と調整します。


決算資料を整理して保管しておきます。

現場や経理での証憑の保管状況を良くしておく、決算作業で使う証憑やexcelシートの保管状況を良くしておくことが必要です。これにより日常の経理作業が効率化し、決算作業を締め切りまでに終わらせることができるようになります。ファイリングの仕組や経理データの共有の仕組を定型化することが必要になります。

できる限り、試算表や科目内訳書の増減分析(対前期末比)まで実施しましょう。この分析によって最後に間違いを見つけたり、異常がないことの最終確認を実施します。


監査法人に提示する資料を準備する。

現場の証憑の保管状況や決算作業で使う決算作業で使う証憑やexcelシートの保管状況が良ければ、証憑の紙ファイルやexcelシートデータを提示するだけで、監査人への資料提示のがほぼ終わります。

あとは何か監査人から依頼される調査や質問書がありますが。依頼はなるべく事前に受け取って余裕をもって準備できるようにした方が楽になります。


論点については監査法人へ事前相談し、対応方針を事前に決定してしまいます。

大きな未決定事項があったら決算は終わりませんし、社内に決算説明した後に監査法人から否定されたら、大目玉を食ってしまいます。論点の洗い出しと対応方針の決定は決算より前に監査法人も巻き込んで終わらせておきましょう。例えば、決算月の初旬に、監査法人と決算打合せを毎決算の定常業務としておくのも効果があります。


期末監査時に、残高確認の差異分析を実施することが必要になります。

残高確認とは、直接、銀行や取引先に自社との取引に係る期末残高を文書で照会し、回答を得て自社の帳簿残高が合っていることを確認する手続きです。取引先からの回答と自社の帳簿残高に差異があれば、その差異の内容が妥当なものであるか調査検証します。一般の会社で経理部や財務部が通常行っている手続ですが、IPO前の会社であれば実施したことがない会社もあります。監査法人は期末監査では残高確認を必ず実施し、差異がある場合には差異内容の説明や資料提示を求めてきますので、差異分析ができるようになっておく必要が出てきます。



監査法人対応は定常業務化できます。

監査は毎四半期、毎期、継続して行われます。ある意味監査に慣れてくると定常業務として回っていきます。ちょっとした工夫を重ねていけば、監査の負担は減っていきます。

新しい会計基準や会社の状況に大きな変化があった場合には、検討や監査対応の手間が増えます。でも、なるべく早めに対応をはじめ、事前に監査法人にも相談指導を受けるようにすれば、監査法人を上手に利用して社内のもめごとが回避できるうえに、監査対応の手間が減ります。監査法人も、適正意見の監査報告書を出したい思って仕事していますので、事前相談は歓迎してくれます。


京都を中心に個人で活動している公認会計士です。

個人で活動している会計士は珍しいと思います。

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