Ⅱの部の作成期間はどのくらい?
◆Ⅱの部(上場申請のための報告書)の作成期間はどのくらいかかるのか?
前提条件が良くて4週間以上
連結子会社4社 程度の会社で、上場プロジェクト責任者がいて、必要な情報の整理状況や管理状況が良かった。
外注を受けた経験豊かな会計士が、一から作成して
⇒ ファーストドラフト作成まで、20人日。
⇒ 一人で掛かり切りでやれば4週間かかる計算になります。
あくまで、ファーストドラフト作成期間の目安です。
ここから、社内の管理体制の整備が進んできたり、主幹事証券の引受部や審査部のチェック及び修正依頼を受けると、修正日程がどんどん追加になります。
⇒追加の作成作業日数で、20人日~40人日以上かかります。
会社自身がどれだけ必要な情報を整理できているか、管理の仕組みがどれだけ整備できているかで大きく異なります。正直、ファーストドラフトを作成してみて感触を知ってからでないと何日で完成するかは読めません。
会社の経営管理、業務管理の整備の完成度合いで異なります。完成度合いが低く整備しながらの同時進行の状況だと、Ⅱの部の作成も行ったり来たりの手直しに時間が追加されることになります。
社内の状況に精通している経理部長が作成すれば作成期間は短くなりますが、経理部長が4週間かかりきりになれないと思います。
Ⅱの部を見て質問や資料提示が求められます。
そもそもⅡの部は上場申請書類の一部。上場申請では、書類を提出すればそれで終わりではなく、提出書類をもとに質疑応答が行われます。
証券会社、証券取引所からはⅡの部をもとに、質問が来ます。この質問への対応が必要です。また、記載内容について根拠資料の提出も求められます。
例えば、社内規定や内部監査の実施実績などなど。
お伝えしたいことは、Ⅱの部作成につかう根拠資料は、すべて提出可能な状況に保管しておくことが必要ということです。
また、質問対応や資料提示にも時間がとられますので、その時間を想定しておく必要があります。
Ⅱの部は必要最低限で作りたい
不要な情報を織り込んでいったり、詳細に記載しすぎると、
作成の手間がかかるだけでなく、記載内容間で整合性がとれなくなったり、質問事項や提出すべき書類が増えてしまいます。
主幹事証券のアドバイザリーにこちらからこまめにチェックしてもらい、過剰記載にならないように注意した方がいいです。
アドバイザリーからは、Ⅱの部のひな形をわたされて、「とりあえず作成してみてください。わからないところは適宜ご相談ください。」と言われると思います。
記載のレベル感がわからない状況で、完成度の高いものを最初から作ろうとしても上手くいきません。できれば他社事例の提供をお願いしましょう。こまめに相談し、記載のレベル感を把握しながら、段階的に完成を目指すことの方が作成負担が少なくなると思います。