IPO 上場会社の開示規制違反と課徴金

上場会社の開示規制違反と課徴金

■有価証券報告書の虚偽記載には課徴金が課されることがある

証券取引等監視委員会では、金融商品取引法に定める有価証券報告書等の開示制度違反に対して検査、課徴金納付命令の勧告を行っています。

上場会社は、有価証券報告書について開示違反があった場合、多額の課徴金を支払わなければなりません


■主な課徴金の例(令和2年度報告)

  1. 約21億円

  2. 約4億円

  3. 1200万円


■事案の概要とその背景

  1. 架空在庫の計上による売上原価の過少計上

・経理実務に関する権限が一人に集中

・適正な会計処理を重視しない社風

・経理部門へのチェック機能不全

  1. 売上原価の過少計上

・社長の業績偏重の圧力

・副社長が不正な経理処理を容認

  1. 会社と会社役員との取引を関連当事者との取引として注記していなかった

・社長及び会計責任者は法令違反等の理解が不足していた

・内部統制が機能しておらず、ガバナンス体制は極めて脆弱であった


証券等取引監視委員会は、毎年『活動状況』を公表しています。

直接有価証券報告書に係る身としては、開示規制違反の報告を見るたびに、自分が見逃してきていないか少し怖くなります。