9-9 公認会計士がCFOにご説明:決算早期化を実現する方法

◆決算を早期化する「やり方」はあります

■情報処理プロセスでのボトルネックを解消

決算は会計情報の収集と会計処理という情報処理のプロセスです。

プロセスであるからには、プロセス全体の流れを把握し、ボトルネックとなっているところを一つ一つ、解消していけば、その結果として早くなっていきます。

プロセス全体の調査分析を適切に行えば、2つか3つのボトルネックを解消すれば、十分早期化されるでしょう。


◆決算早期化を阻む要因も必ずあります。

1.担当者まかせ

経理業務の8割は定常業務です。慣れてしまえば、すくなくとも業務を問題なくこなすことができます。ミスが許されない業務ですので、業務改善を担当者まかせにしていると「慣れた業務のやり方を変えたくはない」という動機が強く働きます。そもそも定常業務+失敗回避優先という経理業務の特性から、業務改善よりも現状維持が優先されます。


2.経理機能を強化することよりも経費削減優先される

経理業務は社内での間接業務であり、社外との競争にさらされていません。また、経理を正当に評価することも難しいので、社内評価が低い事も多いです。そのため、投資されることがなく、せいぜいが経費を前期より低くしろとの予算組みが要求されるくらいです。機能強化ではなく、経費削減が優先されるので、業務改善は経費削減に偏ることになります。


3.社内の技術力不足

経理や会計、税務の基準も毎年変更や追加があります。また、高度で複雑な基準もあります。基準の変化や高度化についていくことが必要なのですが、ともすると、社内にそのような技術をもった人材がいないということもあります。


◆大事なのは今ある「考え方」を肯定したうえで、「考え方」を変化させることを応援すること

■本来、経理も会社を持続させるための重要な機能です。

決算早期化等の具体的な改善を望むなら、CFOとしては、「いかによりよく経営に役にたつようになるか」という「考え方」が加わるように仕向けることが今後にとって大事になるのではないでしょうか。


実際、当方が決算早期化プロジェクトを依頼された場合は、ボトルネックの洗い出しと解消の支援を行います。

外部の専門家に協力を依頼する時点で、経理機能を有効活用しようとする意志がまとまっているので、成功する確率は高いです。