5-12 ファシリテーション 傾聴:「なんでもっと考えへんねん」と思ったら

「なんでもっと考えへんねん。」

「ちょっと考えたらわかることやろ。」

「なんでできてないの?」

文句とも指導ともつかない詰問することありますよね。

じゃあ、その後どうなるかというと

言った方も、言われた方も何か不満や未完了感だけが残る

嫌な感じになりますよね。

結局、原因は納得できるものではなく、

次の再発防止まで期待できるかわからない。

何回言ってもわかってくれない。

非建設的ですよね。

何かいい方法はないか?

訓練?

深く考えていないのだから、

深く考えることを経験してもらうのも一つの手かなと思います。

ファシリテーションのスキルに、相手に深く広く考えてもらう事を促すスキルがあります。


『傾聴』です。ファシリテーターは、良く聴き、内省を促します。

具体的には

・否定しない

・口をはさまない

・復唱する

・うなづく

・要約する

・整理する

・視点を動かした質問をする

等々を実施します。


ファシリテーター協会の定例会(勉強会)で二人一組で『傾聴』の練習がありました。

『傾聴』する方は自分で実施できるのですが、

『傾聴』される方はなかなか経験できないので非常に貴重な経験でした。

(日常生活で、ああ、私今『傾聴』されているって思うことなんか、なかなかないですよね。)

『傾聴』される側に回ると、5分ほど短い時間であっても、必ず、気づきが得られます。

自分が口に出すことや要約してもらうことで、考えが整理できます。

また、質問をうけることで、考えが広がり深まります。

結果、自分の考える力が高まった気がします。

だいたい、最初に思っていた考えと、『傾聴』後の考えは違うものになっていますし、それは自分でも十分納得できるものになっています。

『傾聴』される方を経験して初めて、『傾聴』の効果がわかりました。

もしかして、

『傾聴』により、考えを整理し深く広く思考する経験をさせてあげれば、

『傾聴』された方は、『考えること』が習慣づいてくるのではないでしょうか。


ということで、

「何してんねん。」と強く言いたくなったら、その場ではぐっとこらえて。

「後で機会を見つけて『傾聴』しよう。その方がお互いに建設的だ。」と思うようにしております。