2-03 経営会計(管理会計):『安全経営』と『何事も正しく記録する』
何事も正しく記録する
A:『安全経営』とは、正しい会計記録に基づき安定的な意思決定を行う経営。
B:そのためには、社長、幹部社員、従業員の経理財務能力UPが必要。
C:その前提として、何事も正しく記録するという習慣・仕組みが必要です。
だから、
安定的な経営行うためには、何事も正しく記録するという習慣・仕組みが社内に必要ということになります。
安全経営を支える三つの原則
何事も正しく記録するという習慣・仕組みの導入のためには、
下記の三つの原則を社内に浸透させる必要があります。
逆から言うと、下記の三つの原則を意識すれば、
自ずと何事も正しく記録するという習慣が身についていきます。
①一対一対応の原則
現物や取引が動くたびに適時に正しく記録を実施するという考え方
②ダブルチェックの原則
一連の取引や現物の動きに関わる処理を、1人の人間で完結するのではなく、
複数の人間でダブルチェックするべきとの考え方
③残高管理の原則
実績高ベースのみならず残高ベースでも管理すべきとの考え方
業務の発生ベースのフローのみならず、残高ベースのストックもいっしょに管理すべきとの考え方
私はこの原則を皆で守ることこそが経営のディフェンス力を支える底力になると考えています。
組織を効率的業務を遂行させる仕組みとだけとらえるのではなく、
自己修復を図りながら、永続する仕組みとしたいのであれば、
表面的な仕組みだけではなく根本的な考え方を合せて浸透させることが必要です。
もし、上記の原則を守り、正しく記録が行われている場合、
そのような業務記録に基づいて作成される会計情報は、現場を正しく映すことになります。
現場を正しく映す会計記録に基づけば、安定した意思決定を行うことができます。
それは、安定した経営の仕組みを持つことと同じ意味を持つと考えています。
「監査を通じてクライアントに貢献する」
私が監査の仕事をするときに、いつも目的にしていたことです。
監査の完了をゴールにするのではなく、監査を通じて何か良い影響、気づき、モチベーションを提供すると考えていました(高じて、前職を退職してしまいましたが)
そんな考えを持つようになったのは、「稲盛和夫の実学」を読んだ時からでした。
会計ってなんの役に立つのかな?と考えていたときに、この著書に出会いました。
経営に会計を使いこなしている。また、会計を経営に使えるようにしている。
しかも、具体的かつ、その思想、考え方まで書いてくれている。
とても衝撃的でした。
これ以後、つたないながらも、折に触れて著書を読み、実務の軸にしていきました。
特に、考え方について、
「一対一対応の原則」「ダブルチェックの原則」「残高管理の原則」は、
会計、内部統制を支える根幹原則だと確信しています。