8-13 起業家向け:士業の扱い方

士業を使う

起業して人を雇ったり、会社をおこせば、どうしても専門家を利用する必要があります。

例えば、登記であれば司法書士、給与や労務であれば社会保険労務士、税務申告は税理士といったように、士業を利用することが多くなります。

(もちろん自分でやることもできますが、起業の目的が専門的な知識経験の習得でなければ、専門家を利用することが時間節約、労力節約の面から、賢明でしょう)

起業された方が、将来上場を考えていたり、組織を大きくすることを考えているなら、

二つお伝えさせていただきたい事があります(あくまで個人的見解です)


①小さな会社のうちから、まっとうな経営を心掛けておく

①小さな会社のうちから、まっとうな経営を心掛けておく

「小さな会社だから、これくらいはいいだろう」と甘い判断をしていると、のちのち響いてきます。

小さな会社のうちからまっとうな経営を心掛けてないと、会社が大きくなってからの方向転換は大変です。

上場の2年前にいきなり表面化する問題がいくつかあるのですが、

それは、小さな会社の段階での判断が響いてきていることが多いです。

「さあ、上場に向かって行くぜ!」というときに足踏みするのは嫌なものです。

会社が大きくしたり、上場も視野にいれるなら、

後には、清廉潔白、公明正大であることが求められるということを意識しておいてください。


②専門家は利用するもの、主導権は自分にある。

②専門家は利用するもの、でも主導権は自分にある。

遠慮せずに専門家を利用しつくしましょう。

基本的に士業になられた方は、自分の専門的知識や経験を使って、お客様の役に立つことが大好きです。

難しい課題をクリアにしたときは「私、かっこいい」と満足しますし、気軽に質問してもらえると「私、信頼してもらってる」と満足します。

確かに士業の方は多くの顧客を抱えて忙しそうに見えます。だからと言って遠慮して相談をもらえないと寂しく思います。

忙しさに配慮してもらいつつも遠慮なく相談もいただけるというのが、士業側からの理想のお客様です。


ただ、専門家を利用するときに、専門家に決定を任せきってはいけません。

士業はよっぽどの法令違反が無い限り、お客様の要望に応えようとします。

ですから、グレーゾーンでの判断は、あなたの要望がそのまま反映されます。

さて、①で、小さな会社のうちから、まっとうな経営を心掛けておく といいました。

実は、そのためには専門家の利用の仕方、士業の扱い方がキーポイントになります。

士業は顧客であるあなたの要望に応えようとします。

あなたが、小さな会社だからまあいいやという甘い考えで要望をだせば、士業は可能な限りそのように実施します。逆に、あなたが公明正大な考えでやって欲しいと要望すれば、士業は可能な限りそのように実施します

あなたの『あり方』と『要望の出し方』次第で変わるので、専門家を上手に利用してください。


労務問題は解決に時間がかかる

蛇足かもしれませんが、特に注意すべきなのは労務です。

労務は3年から5年単位の影響があります。

労務の問題は解決までに時間がかかるし、法令の改正も頻繁に行われ今グレーでも数年先にはブラックになっていることもあります。

人を雇うなら、早い段階で社会保険労務士についてもらい、さらに、まっとうな選択をして欲しいという要望を出されることをおすすめします。