5-07 ファシリテーション 「書いて、見せる」

相手とコミュニケーションをとり、信頼関係を築くには

「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というサインを伝えることが大事といいました。

大事です。

表情であったり、体の向きであったり、要所要所でうなづいたり、

「オウム返し」したり、「要点返し」したり。

大事です。

でも、さらに、話をまとめて結論を出さなければならないときには、

いい方法があります。

それは「書いて、見せる」です。

私が仕事をする場所は、会議室が多いのですが、

会議室にはたいてい、ホワイトボードがあります。

話をしているうちに、

「これは状況整理するか、結論を出すかしなければならないな」と思ったときには、

おもむろにホワイトボードの前に立って、おもむろにペンをとって

おもむろに聞いた話を書き始めます。

書いて、見せているので、

当然、話し手には「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」というサインが伝わっています。

対話をする前提として、信頼関係があることは必須の条件です。

その信頼関係が、「書いて、見せる」だけで、得られます。

「書いて、見せる」の効果は、まだまだありますが、もう一つだけ紹介します。

複数の人の意見を効果的にまとめることができるということです。

めいめいの人が勝手なことを言って、何も残らずに終わってしまう話し合いを経験したこと、ありますよね?

「書いて、見せる」ことにより、

何を言っているのかが皆に明確になり(結構長い話でも書いてみると一言だったりします)、

どの話のレベルで話をしているのか明確にできるので、

話の焦点を合わすことができるようになります。

実務でホワイトボードに書き始めることを何回もやりましたが、「わざわざ書かなくてもいいわ!」と言われたことはありません。逆に「良く整理できていてわかりやすい」と喜ばれることはありました(書いてある内容のほとんどはご自分の意見でしたけど)。

「書いて、見せる」の効果はいくつもあり、大きいです。

やってみると実感しますので、一つ一つ見つけてください。

皆の前に出て書くことに抵抗があるようでしたら、

自分の手元のノートにメモを取ることから初めて見られてもいいと思います。

これだって、あなたの思考方法に幅を持たせることになります。

できれば、親しい誰かにそのメモを見せるようにされていけば、

人前で大きなメモをとることも抵抗なくなってくると思います。