5-15 ファシリテーション『情報の非対称性』を解消する


話合いをしている時に「なんでわかってくれないんだ」「話合いにならない」と感じることがありますよね。

そんな時は、『情報の非対称性』にボトルネックがあるかも? と考えてみませんか。

『情報の非対称性』とは、ひらたく言うと、自分は良く知っているけど、相手は知らないことがある。逆に、自分は良く知っているつもりだけど、相手しか知らないことがある。ということです(ということだと思います。)


話合いのプロセスに着目する

ファシリテーターは、話合いの中身についてはどうでもよくて、話合いをプロセスに分けてその話合いを最後まで完了させるようコントロール・サポートすること目的とします。

話合いをプロセスに分けたとき、議論や結論、コミットをする前にそもそもの前提として、参加者皆が話合いに必要な情報を必要十分に持てているかに注意します。

少なくとも話合い参加者が必要な十分な情報を共有していないと、議論のレベルがかみ合わないからです。

話のレベルがかみ合わないと、「相手はぜんぜん、わかっていない!」「相手がおかしい!」というように、相手を責めますし、実は自分も相手に責められていて、建設的な話合いにならなくなりがちです。

話合いのプロセスのコントロール・サポートでは、必要なフェーズごとに、参加者皆の『納得』を作っていきます。議論がかみ合わないようであれば、その前フェースである『情報の必要十分な共有』ができてない可能性が高いです。『情報の必要十分な共有』で参加者の『納得』を得るというフェーズからやり直しましょう。


情報の伝え方にも順番がある

ここに、情報の中には、事実や解釈、考え方、感情や気持ちといったものが含まれていますが、皆の納得を得やすいのは、客観的な事実です。逆に、個人の感情や気持ちといった主観的なものは理解されにくいです。感情や気持ちを排除した情報共有をしろというわけではありませんが、

情報提供の順番としては、事実から始める方が、皆の納得を得やすいです。

コンサルタントが、「事実から始める」や「ファクトベースで考える」と言っているのはここに理由があると思っています。


話合いがかみ合わず、相手が悪いと責めるのもいいですが、話合いのプロセス自体にどこか改善点はないかと考えてみるのも建設的いいですよ。