4-05 資金:資金繰り表を作るコツ

お金が続かなければ、商売は続けられない。

わかってはいる。でも、資金繰りの予定はなんとなくしかわからない。

それで、いいと思います。

未来の話は不確実の連続、なんとなくというか、大ぐくりで把握できていれば十分。


見通しが立つところから、詳細にしていき、見通しが立たないところは、大きめにとらえる。

大事なのは、「資金の未来を捉えよう」という意識を持つこと。

そのツールとして有効なのは『資金繰り実績表』です。


『資金繰り予定表』ではなく、まずは『資金繰り実績表』です。

私の経験上、案外作られていない会社さんもも多いですよ。


さて、資金繰り予定の話をするとき気を付けなければいけないのは、

比較的短期の話(例えば1か月から3ヵ月くら)の話なのか、長期(3年ぐらい)の話なのか。

ちゃんと区別すること。

数か月先の賞与や納税資金の手当てが必要なのか。

数年先の大型設備投資の資金調達や資金をためることが必要なのか。

比較的短期な方を『資金繰り予定』、長期な方を『資金繰り計画』と呼ぶことが多いです。

経営者が考えたいことは『資金繰り計画』の方、戦略と呼んでもいい。

『資金繰り予定』の方は、信頼できる番頭さんが実施してくれるといいですね。

(信頼できる財務担当幹部を育てましょう)

ところで、『資金繰り予定表』も『資金繰り計画表』も様式は同じです。

『資金繰り実績表』がもとになっています。

未来のことを考えるときに、過去の事実は非常に参考になります。

ですので、資金繰りの未来を考える前に、資金繰りの実績を把握できるようになりましょう。

『資金繰り実績表』のテンプレート自体は、インターネットで手に入れることができます。

中小企業庁や銀行のHPにて手に入ります。ほぼ同じ様式です。世間で資金繰り表といえばこの形と決まっているということです。

少し読み解くにはコツがいるのですが、世間で型が決まっているので、慣れてしまうと決めた方がよいでしょう。

職業柄、色々な会社の資金繰り実績表を見ます。

危なげない会社ばかりではありませんが、過去を知ることで、未来への対策を立てることができておられます。

そのような機会があまりない方は、自社の資金繰り実績表を毎月みることが訓練にもなりますので、積極的に取り組んでください。

もしくは、自分家の資金繰り実績表を作ってみるのも手です。

私は作ってみています。通帳からおこせば、案外簡単なことに気づきます。

(ただ、少し暗い気持ちになると同時に、まだまだチャレンジする余裕はあると力強くも思ったりしますが。)

まずは、過去の実績把握から始めることが、未来につながりますので、

過去の資金の動きを記載する『資金繰り実績表』の作成から始めてみてください。