3-20 販売:売掛金を貸倒させない仕組
Post date: Nov 14, 2017 2:57:49 PM
「売掛金の貸倒がよくあるんです。」
いろいろな業種、規模の会社の会計監査を実施してきましたが、
多かれ少なかれ、売掛金が回収できなくなることは、
どのような会社でも普通にあります。
予定していた資金が回収できないなんていう事は、
会社にとっては大事で、下手すれば会社の存続が危うくなる事態です。
でも、どんな会社でも現実の商売では、
多かれ少なかれ、売掛金が回収できなくなるということはあるんです。
だとしたら、
売掛金が回収されなくなるということがあり得るとして、
行動すること、備えておくこと、防止する仕組みをつくることを
考えておくことが建設的で現実的だと言えます。
そこで、売掛金に係る内部統制を、
「売掛金を貸倒れさせない」という観点から、簡単にまとめてみます。
その観点は以下の3つに分かれます。
1.予防する
2.早期発見する
3.被害を小さくする
1.予防する
・相手先の支払い能力を調査する
(信用調査、調査票の入手、決算書の定期的入手、定期的な現地視察等)
・取引条件、価格等を明確にする
(契約書を備える、受注書をもらう等、口頭ですまさない)
⇒上記はいずれも、「当社の社内規程で決まっているんです」と言えば、実行しやすい。
2.早期発見する
・入金遅れをモニタリングする
(月次、日次での入金消し込み)
⇒入金予定日の確定と毎日の入金消し込みの実施できている必要あり
・入金違いをモニタリングする
(売掛金と入金金額が違った場合、即その理由を相手先に確認する)
・売掛金の残高確認を定期的に実施する
(販売先の経理財務に売掛金の金額を伝え、認識があっているか確認する)
⇒入金遅れや、入金違い、売掛金の滞留については、早期に発見し
早期に回収のためのアクションを行なうことが重要です。
当月に確認すれば回収できた売掛金も、
6か月も放置していれば事実上回収できなくなることが多いです。
3.被害を小さくする
・危ないと思ったら取引きしない。取引を絞る
・与信管理
(継続的な取引先でも、基準額以上の売掛金になったら販売しない)
・前受金をもらう。現金取引を行う。
・営業保証金をもらっておく
・一社取引に偏らない
⇒変な例えですが、
取込詐欺合うかもしれないということを前提とし、
取込詐欺にあったときに、
会社が傾くほどの被害を受けているようではいけないということです。
財務がしっかりしている会社では、
売掛金に対するモニタリングを毎月実施されているのが当たり前です。
個人的経験からすると、
まずは、売掛金に対するモニタリングを毎月することが大事です。
これができると、課題や問題点が浮かび上がり、
予防措置や被害を小さくする措置がとれるようになります。