3-16 購買:正当な請求書かどうか確認するためには
Post date: Apr 7, 2016 8:06:01 AM
受け取った請求書の内容が正しいかどうか確認してから、支払を行う。
当たり前のことなのですが、企業では徹底しきれていないことがたまにあります。
一般に、財務部門や経理部門で請求書を受け取り、その請求書の内容が正しいか確認します。
その方法としては、仕入品や外注加工賃の請求書であれば、社内に仕入記録(検収記録)がありますので、これと照合します。
照合の結果、請求内容と仕入記録が
一致していれば、請求書は正しいと判断されて、支払が行われます。
一致しない場合には、その理由を確かめて、必要があれば請求書を修正してもらってから支払いが行われます。
しかし、実務上、一致しない理由を確かめられずに、仕入先の請求書通りに支払が行われることがあります。
どんな場合でしょうか?
社内に正しい仕入記録が無い場合です。
正確には、正しい仕入記録を作り切れていない場合です。
例えば
・そもそも発注記録が残っていない
・発注と違う数量でも検収してしまっているのに、正しい検収数量に仕入記録を修正していない
・品物は受け取っているけど、検収処理をしていない(仕入があったことを記録していない)
そういえば、
仕入先から品物を受け取って、さらにそれを客先に納品まで完了しているが、社内では仕入処理も売上処理もされていない。
そんなことってあると思いますか?
よくありますよ。
別に真面目にやっていない場合じゃないです。むしろとても真面目にやっている場合です。
客先がどうしても特急品で品物が必要なときに、とにかく品物を持って行ってしまう場合や自社が品違いを起こしてしまい急いで正しい品物を持っていかなければならない場合、事務処理が後回しにされることがあります。
話をもとに戻しますと、
請求書と仕入記録が不一致な場合、
財務経理部門は発注部署や検収部署に不一致の理由を問い合わせます。でも、正しい仕入記録が残ってなければ、当該部署でも理由がわからなくなります。少なくとも自社は間違っていないと主張しなければならないのにそれもできない。
そうなってくると、仕入先との信頼関係を壊すこともできないので、
請求書と仕入記録が一致しない場合、仕入先の請求書通り支払っておくという判断がなされます。
支払うことが正当かどうかも判断しきれない支払が行われるわけですから、問題です。
もし、これが日常的に行なわれていれば、正しい仕入記録をとっていない仕入現場の課題にとどまらず、支払を行なっている財務経理部門の課題ともいえます。
この状況を長く放置しているようであれば、会社レベルで内部統制が不備であると言えます。
正当な請求書かどうか確認にでき
おかしな支払をして会社が損することを避けるためには
まずは、徹底して仕入記録を正しく行うことが大事です。