3-12 購買:購買不正と担当ローテーション

Post date: Mar 23, 2016 6:02:38 AM

独立開業して、

「購買担当者に会いたい。」という販売担当者の気持ちがすごく理解できるようになりました。

販売側からすれば、購買担当者にアプローチできなければ、何も取引は始まらない。

逆に、購買担当者に合うことができれば、取引が始まる確率がぐっとあがる。

小さな会社であれば購買担当者がそのまま購入決定者であることも多く、そのまま受注になることもあり得ます。

だから、仕入先の担当と購買担当では、購買担当が強い立場に立ちます。

さて、タイトルは購買不正。

仕入先の担当者と購買担当者の立場をみると、購買担当者の方が強い立場に立ちます。

また、購買担当者は長期にわたって同じ業務担当であることが多く、仕入先担当との付き合いも長くなりがちです。

そうすると、購買担当者が不当に高い価格で仕入を行ない、キックバックとして金銭を個人的に受領するという不正が起こりやすくなります。そこまででなくても、なんらかの贈り物を受け取っていることがあり得ます。

購買不正は下記の問題を生じさせます。

①会社が受け取るべき、キックバック(リべート)を個人が着服してしまっている。

②会社は同じ会社からもっと安く仕入れることができるという機会を損失している。

③さらに、他の会社から仕入をすることができるという変化の機会を損失している。

短期的にみると、金銭、利益といった数字の問題ですが、

長期的にみると、環境変化への対応力が弱まるという、成長機会損失の問題と言えます。

では、購買不正を防ぐにはどうすればいいか?

担当のローテーションが有効な対応策と言えます。

これは、長期に業務を担当しないことにより、仕入先との癒着の機会を減らすとともに

担当替えがあれば、次の担当者に何かあればばれるという抑止力になります。

銀行の担当がよく変わるのはこのためです。

しかし、確かに、購買という業務には知識、経験が必要になります。

そのため、同じ人が長く、同じ担当の方が効率がいいと考えられるので、生き字引のような購買担当が多くおられます。また、小規模な企業であれば、各自が購買担当ということがあります。

なので、実際には、購買の経験・ノウハウの蓄積 と 購買不正にみられる機会損失

両方、にらみながら自社の状況に合わせて決めることになります。

ただ、個人的には、会社にも、従業員にも成長の機会を与えるという観点から、業務のローテーションは行われた方がいいと考えています。

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