3-01 販売:与信管理の難しさ

与信とは、お金を貸せる限度額

与信とは、相手にどれだけお金を貸せるかということです。このお金を貸すという行為には 『掛け』での貸し、いわゆる売掛金も含まれます。

お金を貸す以上、相手があり、常に貸倒れるリスクがあります。そのため、お金を貸す時にどれだけ貸してもいいか考える必要があります。この時、相手をどれだけの金額まで信用するか?相手に与える信用という意味で、与信と言います。

取込詐欺、貸倒損失、連鎖倒産を防ぐのが与信管理

取り込み詐欺は、先ず、一定期間、小さな取引を繰り返し、支払を繰り返すことによって、信用を得ます。信用を得たら、次に大きな金額での商品仕入れを行い、そのまま支払いをせず、商品を持ったまま雲隠れします。

資金繰りが悪化している会社が、支払のめども立っていないのに、起死回生を狙って、大きく商品を仕入れようとしたりもします。

もしくは突然、大口取引先からの支払いが滞ることがあります。

このような時に、自社の資金繰りが詰まってしまないため又は大きな貸倒を防ぐためには、与信を管理する必要があるといわれます。

与信管理は簡単ではない

でも、与信管理は、実は、結構難しいです。

与信を管理するということは、裏返せば、どれだけ貸倒損を許容することができるか決めておくことと同義なのですが、普通の会社では貸倒損をあらかじめいくらまでは許容するなどとは想定しませんよね。普通は貸倒損失はゼロで当たり前と考えますよね。

そのため、金額による与信管理(取引先ごとに設定された売掛金の上限金額)を設定したとしても、あまり上手く使えず、逆に金額を設定したことにより、ただ事務処理の工数が増えてしまっているだけという例も多く見られます。


では、実務での与信管理はどのように行えばいいか、次のブログにて紹介いたします。

3-2 与信管理の実際的な方法