2-08 財務:グループファイナンスを検討してみる
グループファイナンスとは
国内子会社も海外子会社も複数ある場合、
それぞれの会社が借入返済を独自に実施していると、
グループでまとめて実施したほうが得なのではないかと思うことありませんか?
そうなら、いわゆるグループファイナンスは導入できませんか?
グループファイナンスとは、余剰資金のある会社から、資金需要が必要な会社に資金を貸したり、借入金利が有利な会社が外部借入を行い、資金需要が必要な会社に資金を貸したり
することです。
うちのグループでは、各子会社の自治が高く、本社の財務部門が各子会社をコントロールすることは難しい。導入は無理。というご意見をよく聞きますが、
あなたの会社ではどうですか?
決め手は子会社の利益となるような仕組み
実務を見ている限り、このグループファイナンスは導入されてしまえば、割となぜ今までなかったのかわからないと言われるぐらい定着することが多いです。
上手くいっている理由は何でしょう?
「親会社の財務担当取締役の能力が高く、その手腕が発揮されている。」
確かにその側面はあります。
でも、それだけではなく、仕組がうまくくまれているからだと思います。
グループファイナンスに協力することが各子会社の利益となるよう仕組が設計されていることが大きな理由です。
各子会社に利益が出るのであれば、グループの親会社の支配力の強い弱いは関係なく、単なる経済的に一番有利な条件をそれぞれの子会社が選んでいるというだけになります。
グループ全体の利益を最適化するという考え
ちなみに、特定の子会社や親会社の利益にだけ配慮したグループファイナンスの場合、例えば特定の子会社と親会社だけ資金のやり取りをするとした場合、グループファイナンスはうまく機能していないように思えます。これは、グループ全体の利益を最適化するという思考がないので、資金融通の度にいちいち各社の利害調整が必要になってしまうからでしょう。
仕組の設計に集中すれば、親会社の財務担当のガバナンス力と関係なく導入でき、グループファイナンスは子会社と親会社、グループ全体にとってウィン-ウィンとなります。
グループファイナンスの導入は、金利負担が減るだけでなく、各社での銀行との交渉という大変な作業の負担を減らすことができるというメリットがあります。
また、資金面からグループ全体を見ることができる人材を育成することができるというメリットもあります。この人材は、グループが次の成長ステージに上がるためには必須の人材です。
あなたが、財務担当幹部になられた時は、一度は、グループファイナンスの導入考えてみませんか?