2-05 子会社管理:月次報告ちゃんともらえてますか?
仕組の力を活用する
「社長、子会社の月次決算書見せてもらっていいですか?」(私)
「この前の年度決算の時のでいいですか?」(社長)
「え、それ半年前のですよね。子会社からの月次報告書ちゃんともらってますか?」
「毎回取締役会では、〇〇社長から口頭で報告はもらってますけど、決算書まではもらってないですね。」
「それって、いいことしか言ってないかもしれませんよね。社長、子会社のこと把握できていますか?」
「正直、子会社のことは、〇〇社長に任せてあるから、聞きにくくて…」
親会社の社長は全権を持っていて偉い! そんなイメージをお持ちじゃないですか?
いやいや、そんな社長もおられますが、実際は、『経営幹部の皆さまにどうしたら経営に協力してもらえるか』ということに心を砕かれて、疲れておられる方も多いです。
だからと言って、社内に治外法権を作ってしまえば、船が沈んでしまいます。
社内に治外法権を作らないことは、組織運営上とても大事。
では、どうすればいいか?
人間関係や感情の力をひらりとかわしてしまいましょう。
仕組みの力を活用しましょう。
「月次報告は、毎月、この書類を親会社のだれだれに提出するもの」
というルール、情報伝達のルートを作ってしまいましょう。
そうすれば、自動的に月次報告を入手できることができます。
「月次報告書を入手したからと言って、それだけではねえ。」という声が聞こえます。
確かに月次報告書を入手しただけでは、足りません。
大事なことは、どんな形にせよ、子会社の状況は常に把握しておくこと。
そのための手段は何でもいいです。
後々問題となるのは、子会社の状況をつかみきれない状況を放置しておくことです。
社内でわからないところがあるのに放置しておくことが大問題です(社内には、子会社も含みます)。
月次報告書の入手は、その問題に対する対応策の一つ。
他にも対応策はいろいろあります。
ソフトなものからハードなものまで。
ただ、ソフトなものから取り組む方がやりやすいじゃないですか。
ソフト対応策でもハード対応策でも応援しますよ!
ちなみに、私が関与した場合、下記をご提案する事が多いです。
子会社管理の際、月次報告を受ける仕組みにしてしまってください。
・月次決算書
・資金繰り実績表
・すべての通帳のコピー
・売掛金明細、売掛金の滞留表
・在庫明細、在庫の滞留表
会社がもうかっているかどうかは、月次決算書でわかります。
会社に資金が残っていっているかは、資金繰り実績表でわかります。
売上の不正や売掛金の未回収は、売掛金滞留表でわかります。
在庫が売れずに残っている状態は、在庫の滞留表でわかります。
会計系の情報のみならず、その元資料となる業務系の資料(通帳コピー、売掛金明細、売掛金の滞留表、在庫明細、在庫の滞留表)も合わせて、入手しておくと
会計情報には反映されていない早い時期に、本業の異常な兆しをつかむことができます。