1-03 内部監査:不正は『機会の多さ』に注意を向ける

参考:不正のトライアングル

不正行為は、①機会、②動機、③正当化という

3つの不正リスクがすべてそろった時に発生する可能性が高くなるというもの


■内部監査では、特に、不正を起こす『機会の多さ』に目を向けるべき

例えば、

地方の子会社の管理部。経理も財務も総務も一人で長年一人で担当されたりします。

中核でない事業の事業部。すべての業務を数人で実施。お互いの業務をチェックしあってるということもない。

グループの中で、主要な位置にいないため、第三者の目が届きにくく、また、一人の担当が同じ業務を長く担当していることが多いです。

このようなことは、よく見られますよね。


このような場合、担当以外の第三者の目が届かないので、『不正を起こす機会』が増えてしまいます。

また、もし不正があった場合、長期にわたって発覚しないことが多いので、想像以上に大きな影響になります。

その業務の担当者自身の姿勢を疑う必要はありませんが、不正を防止する仕組み、不正を発見する仕組みがあるかどうかは検討する必要があります。

もし、そのような仕組みが無かったり機能してなければ『不正を起こす機会』自体は多くなってしまっています。

このような『不正を起こす機会』を発見し指摘すること。できればその『不正を起こす機会』減らしたり無くしたりするような改善を促すことが内部監査の大事な役割と言えます。

グループ全体から見た場合に、重要でないという理由で、地方の子会社の内部監査が実施されていないことがあります。重要でないからといって地方の子会社に内部監査を実施しないのではなく、地方の子会社こそ目が届かない分だけ『不正を起こす機会』は多いと判断して内部監査を実施すべきだと言えます。

「人は弱いものだから、直接見守りにいくことで、その担当者も会社も守って差し上げているんだ」という意識をもって、地方の子会社にも内部監査に行ってください。